短編はオチが命・後編

それでは、本日も前フリなしで、昨日の結末の前にもう一編、ご紹介しましょう。


           「 鍵老人 」


西村与平は妻に先立たれ、今は娘夫婦とマンションに同居している。 今時、老後に娘と住めるなんていーじゃないのーという世間の見方は裏はら、昔はかわいかった娘も今じゃ、小姑のようなもんで口汚く、優しさのかけらも見えないようで、与平は居候状態のようなわびしい日々を送っていた。
そんな与平にしばらく前から若いご近所友達ができた。 名前は坂本絵里。 年は26で、どうやら地方から出てきた一人暮らしらしい。 いや正確にはマルチーズの犬一匹と同居。

ある日与平は絵里に呼ばれお昼ご飯を一緒にすることになった。 初めて絵里の部屋に入り、絵里の話す身の上話を聞きながら、そこでわずかながら絵里の過去を知ることになる。

絵里はこのマンションで新婚生活を送るはずだったという。 元看護婦である絵里は、病院で知り合った製薬会社社員と結婚を約束し、このマンションを契約した。 しかし看護婦をやめて、マンションに引っ越してきてから彼の態度が突然おかしくなっていった。 そしてある日彼から「もうその気がなくなったー」と聞かされる。
後で知れば彼は元々プレイボーイの遊び人だったようだ。 彼のために車の頭金やら、洋服代まで出したこともあったのに、まんまと騙されてしまった絵里は傷心を抱えてこのマンションに住んでいたのだ。


そして恐ろしいことに、青酸カリを盗んで持っていたーということまで知ってしまった。 (ここからサスペンスな装いですかね~ by anbeln)
本人によればその時は自殺するつもりだったと。 しかし結局怖くて実行には移せなかったと。
でも今ではもうそんな気は失せてしまったからと、焦って怒る与平に笑顔で返す絵里であった。。


そして絵里は最後に与平に頼みことをした。 2,3日旅行に出かけたいから、マルチーズの世話を頼めないかと。 1日に1回寄って餌と水をあたえ、ちょっとベランダで外の空気を吸わせてやってくれればいいからと。 そんな事ならーと、こころよく引き受けた与平は絵里から合鍵を渡された。

そして出発する絵里。 見送る与平。

ところが事件はすぐにおこった。 悲しいかな、老人与平。 絵里に渡された合鍵をなくしてしまったのだ! 落としたのか、なくしたのか、どこにやったか・・記憶がな~い。 ただ入れないならともかく、中には大事なマルチーズ、どうしたってこれに餌だの水はやらないわけにはいかない。
こんな事、娘には相談できず、じゃ管理人に言えばいいって? いや、実はこのマンション、ペット禁止なの。 絵里は隠して飼ってたんですねえ。 で、この時代はまだ携帯が普及してなかったんですかねえ・・ 絵里に連絡もとれない。 皆さんなら、どうします?? 途方にくれる与平にあるひらめき。


行き着けの飲み屋の常連のクセモノ男。 確か元空き巣だと言っていた。。 危険を承知でもうコイツにすがるしかないと頼みにいった与平でした・・ そしてオーケーする元空き巣男。

さて、これからの展開はー?  と言ったとこで続きー

                  ☆

ちなみに「妻の女友達」 続きをお伝えしましょう。 まんまと美雪の殺害に成功した肇でしたが、家に帰ってジャケットのボタンが取れていることに気がついた。 証拠は絶対残してない自信があったのに・・ よもやよもやの重大証拠を残してしまったか? いやや古いジャケットのこと、前からボタンが取れていたのかもしれない・・ しかしもしあの現場に落ちていたら・・・・・・

不安にさいなまされる肇。 しかし、そのボタンは意外なところで発見される。 それは、娘のぬいぐるみの目。 それはまぎれもない自分のジャケットのボタン。 どうしてそれがここにー 


この続きは結末編で。 お暇な方はこの後の展開を考えてみましょー(そんな暇ねえって?)

私はちょっとこれからジム行ってきます。 あー、訂正です。 10月から仕事なくなるーじゃなくて、正しくは10月で、仕事なくなるーでした。 しかし、その割には何で今日なんかジム行くの?って?

今日は仕事ないんだって・・ ありゃりゃ・・ 10月からなくなるどこじゃ、ないかもね。