短編はオチが命・前編

さきほどはどもっ。 帰ってきました。 それではもう前フリはなし。 さっそく続きでご紹介します。


    まず   ☆ 「妻の女友達」 ☆ 文章はあくまでもanbeln風ですのでよろしく。


どこぞの田舎の市役所の出張所で働く広中肇は、38になる今までこれといったトラブルなく平々凡々とした日々を送ってきた。 職場から家まで自転車で7、8分。 毎日ただ行っては帰る日々だが、しかし彼にそんな生活への不満は何もない。 彼には5年前に見合い結婚した妻の志津子がいた。 こちらも特に美人だとか、何かに長けた女じゃないが、優しくて家庭的なのがとりえだ。 波風たたない生活を送るには最適のパートナーでもあった。

 しかしそんな志津子がある日、駅前にできたカルチャービルの「フランス料理教室」に通いたいと言い出した。 まあ特に問題もないと思った彼は、こころよく許したものだが、ちょうど時を同じくして、彼の生活を根底から崩していく嵐のような女が近づいていた。 女流評論家ジャネット・多田(どっかで効いたような名前だけど・・) 
本名・多田美雪。 志津子の高校時代の友人であった。それがどういう訳かこんな田舎に引っ越してきて、2人の生活に割って入ってきたのだった。

地味で清楚な志津子とは見た目も正反対の、派手ハデ女。それだけでもイヤだったけど、これがまたずうずうしいときた。 家にいきなりあがりこんでは、自分の自慢話。 まるで志津子の生活なんて興味も何もないって感じで、志津子はほとんど相槌をうつだけであった。 これがまた夫・肇にはおもしろくない。 しかもよりによって最後に美雪は、志津子を自分ちの掃除仕事に誘うのだった。 つまりはお手伝いさん・・ 当然断るかと思った志津子はなんと、受けてしまった!

さてこれが不幸の始まり。 以後肇のささやかな波風たたぬ生活は、美雪の出現によって壊されていく・・ 最初は週に一度のはずだった掃除仕事も、週に2度になり3度になった。 それも突然の電話だ。 そのうち掃除だけでなく、買い物や夜食の用意、時には家賃の支払いまでさせられるようになる。。(あ、お金はむこうさん持ちですけどね) 夜になって呼びつけられることもある。 そうしてだんだん、肇のイライラはつのっていった。 じゃ、そんなお手伝い、やめさせればいいって? 

それが言えないんだなあ。。 結婚以来、友達つきあいもなく、家にほとんど閉じこもっていたような妻が、そんなイヤそうでもなく、いそいそ出かけていくのに、自分から辞めろーってのが、どうしても言えない。 あんなイヤな女でも妻には大事な友人・・ 妻はそれほど寂しかったのか?とか思ってさ。。

しかし美雪への憎しみはつのっていくー アイツさえいなければー って。


そしてついに殺人事件がー! 志津子の実家の母親が脳こうそくをおこしたって、志津子が実家へ帰った夜。。 肇はついに思いたって決行するのです。 美雪の家に行って美雪を絞殺・・!


さて、この後肇&志津子はどうなるでしょう・・?  ここからですよー。


ーって、結末&もう一つの話は次回まで。 お腹すいちゃった~なもんで。