映画 「人魚の眠る家」


では、さっそくレディースデーで映画に行ってきました。  2ケ月ぶり~ですかね。
いくつか候補がありましたが、時間を見ながら、まずはこれって。 「人魚の眠る家」。
タイトルを見ると、何だと思いますかね。  実はこれ、私には珍しく原作本を読みました。
たまたま親父殿がオカンに読ませるために買ったらしいのですが、途中で止まったままになってる、
オカンはどうも、こういう話が苦手なようで、それなら私が読もうって借りちゃいました。
まあ、実に重たいテーマですね。  そして悲しくも切ない。  ネタばれ交えて少しレビューを。


映画はほぼ原作通りに展開していきます。  これはよかったなって思いました。
時々何じゃそれって、どうしょもない、展開、結末を変えちゃうよな映画もありますから。 
模倣犯」なんかは、大失敗の映画だと思いましたから。 (原作本はよかったんだよ~)、
まあ、ただ本を先に読んじゃうと、やっぱり、う~ん、ここ削っちゃったかあって、2時間枠におさめるには、
しょうがないけど、その点はちょっとモノ足りなかったりしますかね。
原作も有名なので、概ねご存知の方も多いでしょうが。  


離婚寸前の冷めた夫婦関係の播磨夫妻。  奥さんには、恋人候補の男性もいたりして、。
旦那とは、長女、瑞穂ちゃんのお受験が終わったら、正式に離婚しようなんて話もしている。
しかし、ある日突然、すべてが変わった。  その長女瑞穂が、プールで溺れて意識不明との連絡。
急いで病院にかけつけた夫妻を待っていたのは、医師からの過酷な宣告でした。

命は取りとめたー と言っても正確には心臓は動き出したー だけ、意識は戻らない。
心臓よりも脳が問題なんですね。。 私もよく知らなかったが、心臓が停止して、脳に血液がいかなくなると、
時間の長さによっては、心臓が動きだしても、脳が回復しなかったりするのね。。 
それが脳死・・・ てやつか。  医師からは、もう瑞穂ちゃんの意識が戻ることはないって言われます。
また、驚くのは、そこでもう臓器提供の話をされるんですねえ。 いや、この医師が冷酷な訳じゃないです。
そういうシステムになってるらしい。  やっぱりその臓器を待つ患者さんもいるわけで・・・

ーと、言われても、家族が、親がそんな我が子の死を即刻認められる訳がないっ。

いや、一時は、彼女の死を受け入れようとしますが、突然、彼女の指がぴくっと動いたことで、
瑞穂はまだ生きているー って、お母さん、延命治療を求めるようになります。
(この、ピクって動いたのは、意思が動かしたというより、そういう反応もあるそうです。)
まあ、播磨さんち、旦那が会社経営者だし、お金持ちってのもよかったですかねえ。
奥さん、薫子さんは、瑞穂ちゃんの治療のため、離婚もやめ、恋人(?)とも別れる決意をします。。
(この恋人候補の存在は、映画では割愛されましたけど。)

そして、またこの旦那の会社がたまたま機械工学?医療工学の研究をしている会社だったから、
その辺の知識もある。  瑞穂ちゃんは器官切開をして、人口呼吸器をつけずにすむようになり、
やがて彼女は在宅介護されることになります。  薫子さんの献身的な介護が続く中ー

この小説が「ヒューマンミステリー」なんてつけられたのは、この中盤じゃないかと思います。
そう、旦那の会社の機械工学の中ですね・・・ 脳が機能していなくても、脊髄などに電気ショックを
与えることで、体を動かすことができる。  社長である旦那さんはある優秀な社員の一人に、
その研究を託して、瑞穂ちゃんに試すのです。  体を動かすことで筋肉もつけ、とにかく延命につなげる。
瑞穂ちゃんのため、いや、それより、瑞穂ちゃんが意識を取り戻すことを思いつづける妻のため・・・
しかし、彼のこの行為が、だんだん奥さんを狂わせて(?)いきます・・・・
いや、狂っていくというより、母親ならすご~くわかるよ。

機械につながれて、電気を流されて、最初は足から、そして手を動かすたびに、薫子さんには、
瑞穂ちゃんが動いているように、やっぱり見えちゃうんですね。 
最初は驚き、旦那さんも何かしら喜んだものでしたが・・・ やがて日々過ぎるうちに、
まさか口角をあげて笑顔を作る瑞穂ちゃんを見て・・・ ギョッとするのが印象的でした。

ええ・・・ あれはちょっとホラー・・・・ かも。   そして、違う、違う、こんなのは違うーって思うのよねえ。

それより以前に回りの人たちも、違和感を感じ始めます・・・ しかし薫子さんは気づかない。
いつか、ほんとうに、瑞穂ちゃんが目覚めて、自身で動けるようになるのを待っている。
そのために自分は準備させているんだって。 

原作を知らなければ、あれ~・・・ ? もしかしてもしかして奇跡が起こるの~?なんて思っちゃいますが、
いえいえ、このドラマはそういう話じゃないんですね。 


クライマックスの修羅場になる前に、臓器移植を待つ女の子のエピソードが入るのですが、
ここは、ちょっとやっぱり割愛されちゃいましたね。 原作の流れと少し変えた。
ここは原作通りにいってほしいとこでもありますが、まあしょうがないかな。
それでも伝わるものは伝わりますが。。  ここで父親である旦那の和昌さんが思い立ちます。


さて、ここから先は言わないでおくかな。  私が思ったことは、まず、3人も幼子を連れて、
プールに行くのはお婆ちゃんには、ちょっと重荷じゃなかったかなあって。
いくら近所のプールとはいえ、海ほど心配はないかもしれないけど、やっぱり水の中ですから。
子供は何をするかわかんないし、やっぱり同じプールの中に入れる大人がいた方がよかったと
思いました。  (あら、そこ?)  ええ、まず、水の事故を防がなければね。

西島、篠原夫婦はなかなかよかったです。 西島さんの抑えた、父親の演技。
篠原さんの思い詰めていく母親の演技。  この温度差も男と女は違うのかなあって。
我が子の脳死という重いテーマじゃありますが、映画自体はそれほど重い空気ではなかった。
家族もまとまって協力的だったしね。  とにかくお母さんには時間が必要だった。
いいか悪いかはともかく、あの時間があったから、最後の決断に行ったのだと思いました。。

泣けるよ・・・ 

それでは、また映画もボチボチ見ながら、感想書いてきますね。