映画 「そして父になる」

昨日のレディースデーに観てきました。  本来・・私はこの手の映画はどっちかというとパスしちゃう方ですが、
今回はカンヌ映画祭で審査員特別賞も取ったというし、主演が福山雅治ですからっ、こりゃちょっと観ておこうかと。
ええ・・ 何だろ。 映画というよりも・・・ 2組の家族の話をドキュメント風に観ておりました。
ではいつものように、ネタバレを含みつレビューです。
 
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今回の福山くん演じる良多さんてのは、ちょっと、やなヤツです。  自分はエリートサラリーマンを自負してる
ようで、仕事はやるけど、家庭的にはイマイチ。 子育ては奥さんに任せてた感じで・・ そんなに子供に
かまける父親じゃなかった。  (のちに彼の子供時代の複雑な家庭環境もわかるのですが。。)
家庭はほっといても人生は順風でした。  ところがある日、突然の衝撃。 我が子と思って育ててきた子は
取り違えた他人の子。。そして自分のほんとの子は、その他人の家庭で育てられていたーってのが知らされる。
どっちの家庭にとっても不幸なこのできごとを前にして、2つの家庭がどんな展開を見せどんな選択をするのか。
それも興味ではありましたが・・・ お話しは淡々と描かれます。  
ええ、今回のこの映画、とても静か。  ドラマを盛り立てるよな音楽や効果音はいっさいなし。
あまりに静かで、anbelnのお腹が鳴る音さえ聞こえちゃったくらいです。。 (恥ずかし~)
でも、その淡々さが時として心に沁みる。
 
 
余談ながら、私にもちょっと悲しい思い出があります。  その子と過ごした時間はほんとに短い期間でしたが、
もともと子供なんてそんなに好きな方じゃなかった、最初はとまどいしかなかったその子とのつきあいが、
いつしかすごく楽しいものになり、同時にたいへんさにもつきあわされたけど・・・ 
ああ、人はこうやって親になってくんだなあなんて、私が言うのもなんですが、ふっと思ったものです。  
そして別れる時はほんとに・・・ うわ~ってなるほど落ち込みました。  
そんなこともちょっと映画を観ながら考えてたかもしれません。
 
さて映画ですが取り違えた子供を交換・・・(ってのも変な言葉ですが。)するってことは、今まで育ててきた子を
手放せなければいけないじゃないですか。   そんなこと、選べます?
病院側は子供の将来を考えても、実子をとった方がいい、そしてするなら早くした方がいいー なんて、
簡単に言いますけど、親にしてみればー どっちも自分の子なんですよね。。
 
福山パパが、「2人とも引き取られせてほしい。」なんて、相手にしてみれば何て身勝手なー ってこと、
言っちゃいましたが、その気持ちはわかるなあ。。  まあ、相手の家族だって同じだよね。
この2つの家族がまた両極端なのが面白かったですね。 (環境的にね。) 
当然その子供も、その家庭の子供らしく育っちゃったわけで・・・ そのギャップってのもね、どうなんだ、これって。
 
親だけじゃない・・・ 子供の気持ちってのもありますよね。。。  
「これからは、おじさんがパパだ。」 なんて言われても、「何で?違うやん。」 
「何ででもだ。」 「何でー? 違うやん。」の押し問答のようなシーンはなんだか切なかったなあ。
 
ええ~ 表題の「そして父になる」ですが、この良多さん自身、この事件があって、また改めて、家族・・・
自分の過去とも向き合うんですね。  (ここで良多の父親役で、今は亡き夏八木勲さんが出てきたのが
ちょっと嬉しかった。 これ遺作かな?)  そしてその大切さにも気づくのかな・・
 
この映画、旨く言えない。  機会があればもう一回見ようと思う。
 
泣こうと思って行かないでね。  思いのほか淡々な感じがします。 
でも気がつけば、回りで鼻すする音が響いてる。。。  そして私もスラスラ涙がつたってきたの。
せつなくて暖かい。。。
ラストはちょっと曖昧にしてるとこあるけど、これはこれでよかったかなあ。
 
私は思うけど、今の時代、離婚、再婚する家庭も多いんだし、お父さん、お母さんってのも1人づつじゃなくても、
いいんじゃないかな。   Wお母さん、Wお父さんがあってもいいような気がするんだけど。。
 
あと、りりー・フランキーさんて漫画家だよね? 他の映画でも評価されてるけど、意外と役者として
いい感じですねー。   今回もこのお父さん役が印象に残りました。
 
さて、来週からの仕事も、いちおう決まったとこで、明日また映画観ようかな。。。