ありえない・・?でもそれを抜かせば面白かった~ 「藁の楯」

週末の仕事も終わったとこで、さっそく映画の話です。  いろいろ迷った末に金曜日はまずこの映画から。
ええ・・ 「死霊のはらわた」観たかったんですけど、さすがに、それ観るとまた夜が眠れなくなると困るので。
しかし、この映画も結構引きずりましたよ。  面白いのと、でもなんだかモヤモヤ感とね。
 
 
藁の楯」。  冒頭に出てきたのは顔は見えないけど、なんとも痛ましい少女の遺体・・・ 
ここからすべてが始まる。
殺人犯は藤原竜也くん演じる「清丸」っての。  コイツはいわゆるサイコパスみたいなのかなあ。
8年前にも同じような少女が殺され、出所したばかりだというのに、もう次の犯行を起こしてやがる。
しかし、今度は相手が悪かった? この少女のお爺様。 経済界の大物にして超お金持ち。
かわいい孫娘を殺され、怒り狂う彼にできることは、「清丸を殺したものに10億円!」という信じられない
懸賞金と日本国民すべてに対して、清丸の殺害依頼っ。    おっ、お~ こんな事していいのか~
だけど、金と力に任せて新聞広告には載るわ、今じゃネットにも「清丸サイト」なるものが登場し、
清丸殺害を呼びかける・・・   
そこでさすがに身の危険を感じた清丸、自ら警察に出頭し、本来ならここまでなら・・万事よかったのでしょうけど。
 
なんと警視庁に移送しなければならないんだって。  福岡から東京までその距離1200キロですか。
こんな物騒な広告が出ちゃったからには、何が起こるかわからないって、なんとこの殺人犯に、警護が
つくことになった。  SP2人に、捜査一課の刑事さんやら福岡県警の方までそしてさらに機動隊だの、
何だの・・・ まあ~ たいへんなことですわ。
 
ここまできた時点で、お話しはなんとも漫画チック。 ありえねえだろ~とも思いました。
 
ええ、それから後の展開もすごいですよ。  10億円の金につられたか、清丸への刺客が次から次へと
現れます。  一般人、ヤクザ系、警察官、機動隊員・・・ 身内でさえ信じられなくなってきます。
これだってありえねえだろ~ と言えば、そうだけど、いくら10億くれるったってさあ・・・ そんな簡単に
人殺しなんてできないっしょ。  
 
しかし、見ていくうちに、だんだん次は何だって、引き込まれていきます。
 
それにデフォルメされているとはいえ、結構人間の本質的な部分もあるでしょう?
孫でも子供でも、自分の最も愛する大切な人を殺されたら、やっぱり犯人は許せないでしょ。
できるものなら、殺してやりたいって思うのは自然な気持ちだと思います。。
自分でやれない分、懸賞金をかけてまで復讐にかられる蜷川お爺さんの気持ちもわかる。
 
いくらもらったって、早々人殺しなんてできるもんじゃない。  でもほんとに金に困ってるやつ・・・
10億なんて金額じゃなくてもいい。  とにかく金が欲しい。 それに殺すやつは人間のクズだっ。
そもそも、いたいけな少女を2人も殺してるんだから。  その気持ちもわからないではない。
 
そして・・・この護衛につく、刑事さんたちも葛藤するんです。
 
清丸に・・・、こんな殺人犯、人間のクズに、命を賭けて守るほどの価値があるのかーと。
 
また、藤原竜也が、いい~感じで、このクズ男を演じてるんですよ。 見てるこっちも、イライラするくらい。
ほんとに、こんなヤツに守る価値ってか、理由があるんだろうかってさあ。
もう、最後の最後までクズです、この男はっ!
 
そう・・ この刑事さんたちも・・・ 災難がふりかかります。  1人減り、2人減り・・・そして・・・
まあ、三池監督だから覚悟はしてましたけど。   痛いっ、痛いよ。
特に、永山絢斗くん演じる刑事さんはよかったなあ・・・ 最初は誰に対しても攻撃的で敵意丸出しだったけど、
殺された少女を目の当たりにして、許せなかったんでしょうね。。。  ずっと葛藤してたんだね。
正義感の強い一途な若者だったのね。。。  
 
 
ええ、今回の映画、皆キャストがよかったですわ。  さわやかな笑顔が憎々しい藤原竜也の清丸。
職務に忠実、冷静クールだけど、やっぱり優しさが見える大沢たかお演じる銘苅SP、超かっこいい。
この人が、最後に清丸にキレるシーン、迫力あってよかったです。 
一癖ありそな岸谷五郎、人のよさそうな人情派刑事の伊武さんもよかったし、紅一点の松嶋菜々子に、
今回、大注目しちゃった永山絢斗くん! 今回のキャストは皆当たりです。
 
 
アクションあり、サスペンスあり、ヒューマンドラマあり・・・ 終わってみれば意外とよかったですねえ。
時間があっという間でした。
 
ただ、結末は・・・・  けして後味のいいものでもありません。
ハリウッド映画だったら、絶対清丸は殺されるでしょうね。  そこが違うのはやっぱり日本映画の見せ方か。
ーってか、日本人なんだよねえ。。  大部分の日本人は、大沢たかおなのだー (って、何?!)
 
って、言っちゃったかな?     (「何で殺さないんだ?!」 by アメリカ人)