究極の格差社会は 「TIME」

持ってかれた~っと思ったパソコンが戻ってきたので、「時間」のあるうちにー。  水曜日に観た映画です。
 
皆さん、よく聞きますよね。  貧乏人にも金持ちにも、これだけはどうにもならない、これだけは誰しも
平等でしかありえない・・・   それは、「時間」 というもの。 しかし、これすら超不平等になってしまうー
という、究極の格差社会を描いた、いちおうSF? 映画が、今回観てきた 「TIME」。
 
科学の発達と遺伝子操作によって、 人類の成長は25才で止まる。。 ってのは、25才以上は永遠に
年をとらないってことです。  きゃ~ そんな嬉しいことがっと、一瞬思っちゃいましたが、ことは複雑。
ここに描かれるのは、究極の格差社会
25才で年が止まってからは、人々は、自分の寿命を、自分で守っていかねばならぬ。
「お金」というものは、なくなったんですが、ここでは通貨の代わりに、「時間」が支払われる。
たとえば、バスに乗るのに、「1時間」とかね。     まさに、Time is money なのです。
その時間、TIMEというのは・・ 各人の「寿命」でもあるんです。
 
つまり、人々は、強制労働のように働いて、お金=時間をもらうんです。  そして1日1日を生きながらえる。
そう、ここでは、ニートだの、引きこもりだのって、やってられませんよ~   働かにゃ、死ぬんだから。
 
しかし、これはあくまでも、貧乏人の話。   お金持ちには、とてつもない長い時間が与えられ・・
こんなあくせくすることもなく、優雅に退屈に・・いつ果てるともない寿命をだらだらと生きるんです。
永遠の25才のままで。。。   考えてみれば、子供も親も、さらにジジババもみんな25才の容姿って・・・
ちょっと、気味悪いですね。 
 
しかし、そんな異常な世界にうんざりした大金持ちの男が、ある日、スラム地域にやってきて、(まあ、自殺願望ですね。) 一人の若者と出会ったことから、物語が動き始める。
 
男から、この究極の格差社会の現実、 一握りの金持ちが永遠に生きるために、大量の貧乏人が
若くして死ななければならない・・ この不平等の真実を聞いた彼、さらに自身のお母さんもその日のバス代が
払えなかったばかりにタイムアウトを起こして死んでしまった・・ 彼の反乱が始まるのです。  
 
 ★★
 
 
 
・・・と、最初の出だし、この設定は、今まで聞いたことなかったなあって、興味を引かれました。
お金=時間とか、 25才で時は止まる。  だけど、貧乏人は生き続けるために、永遠に強制労働のごとく
働き続けなければならない。。 ん・・?ってこれを聞いて思い出したのが、それ日雇い派遣の世界ですよ。 
日銭を稼いで生きてるの同じですよね。  これが止まったら、もうアウトってな感じ。
なんか現代社会への風刺みたいにも聞こえてね。  そのへんも面白いって思いました。
ローンとか、時間銀行とかってのもあるんだけど、そのへんもう少し話聞きたかったですね。
 
 
しかし、後半は、この主人公とたまたま出会い、(いや、運命の出会いってんですかねえ。) ひょんなことから
人質に、さらに相棒になっちゃう大金持ちの、刺激がほしいお嬢さんが、出てきて、二人が、あれだ、
ボニーとクライド(って、古っ。 若い人は知らないよねー) のごとく、銀行強盗を繰り広げる。
ちょっと、ありきたりな、展開になっちゃうんで・・ ちょっと、つまんないかなあ。
 
そこに登場する二人を追いかけるタイムキーパーっていう、いわゆる今でいう刑事さん?
この役者さんは、存在感があってちょっと面白かったですけどね。
あれだ、プリズンブレイクに出てきた、マイケルを執拗に追いつめたマホーン刑事を思い出しちゃいます。
この人の存在感がちょっと映画をうまく絞めたかなあって気がしますが。
(じゃないと、ジャスティンとアマンダだけじゃ、ちょっときついかなって気がしちゃった。)
 
 
まあ・・ そこそこは楽しめたけど、期待してた割りには、お話しはあまり広がらなかったですねえ。
 
あの二人、あのまま銀行強盗を続けてどうすんだろうねえ。。  
社会システムそのものが変わらなきゃ、どうにもならんと思うのだが・・  彼らが時間を盗むことによって
新しい世界に変わって行くんでしょうか。。   (なんか混乱だけ・・ちゅう気もするんだが。)
 
 
しかし、確かに思いました。。  寿命って長けりゃいいってもんじゃない。  ずっと生きられると思ったら、
人間は努力も何もしないし、ただ怠惰で退屈な時間が流れるだけ。
限られた時間だから、各々が精いっぱい頑張って生きようとするんだよねえ・・・
年を重ねることにも、味がありますよ。  永遠に25才の顔ったら・・・ (あ、でもそれはいいかなあ・・)
 
しかし、あの貧乏人の世界はひどすぎるよね。  でも、これも思いました。。
 
 
「時間」だけは平等だって書きましたけど、 時間も・・必ずしも平等じゃないね。
最初から、お金があれば・・ イヤなこともしないですむ。  
まずは何かを始めたくても、働いてお金を稼がなければならない。
 
お金があればできることも・・ できぬまま、ひたすら生きるためだけに時間が使われてしまうこともある。
 
これって必ずしも、SF世界の話じゃないかもって。
 
まあ、あとでも、いろいろ考えさせられました。
しばらくまだ上映してると思うので、興味ある方は劇場まで・・ っとな。
 
さあ~  トワイライトをいつ見ようかって。