純愛(?)にハマれず・・「愛を読むひと」

水曜日、1日家にいた私は、あまりの暑さに耐えかねて・・夕涼みも兼ねて、映画に行きました。
こちらのブログにも多くの人が書いてらっしゃると思うし、私の友も先日見てきて、レビューのようなメールをくれたもんで、じゃ、これ行きましょうって。
しかし・・ 帰ってきてからまた考えてしまった。 いつもならすぐ記事書くんですけど。。
「レスラー」の時みたく、ちょっと困っちゃいましたよね~  友にも何て言おうかと。。


レディースデーとあって、映画的にも、お客さんは見た限り、皆女性だったみたいです。 そこそこ大入り。
時間近くに行ったら、なかなか席が取れなくて、入口と反対側の端っこです。 
冷房は珍しく寒すぎず、気持ちよく・・これでひたろう~って思ったけど。 ・・ひたれませんでした・・
以下、ネタばれあり、変なレビューになるかもしれませんが。。


ケイト・ウィンスレットの「愛を読むひと」。
まずこれ何が見たかったかというと、姑息にも友がうっとりしたというケイト・ウィンスレットのヌードと、
イクラブシーン。 
最近、めっきりそういうのに縁遠くなってしまってますから、ちょっとエロい気持ちを思い出そうと。
前半は、まさに、その・・昔の「個人教授」なんかを思い出させそうな展開。 


15才の少年が偶然出会った中年になりかかりの年増女性(これがケイトね。)と、ひと夏の情事をくりひろげる・・  う~んと、結構出会いから、この展開がまず早いですよね。。(って、後半部もあるから、はしょらなくては
いけないか。)
少年を自宅の風呂に入れて、「見ないわよ。」なんて言いながら・・ 実は気になっちゃって・・
ついには自分が脱いでしまうっと。 あら~ これ、なんですか~
相手が15才って・・・若すぎ~ 「淫行罪」じゃないですかー。 など軽くツッコミ。
でもこの激しさはある意味、この女性の孤独の重さ・・?


ケイトの老けメイクがいいですね~ 美しさの中にも老いがそろそろ現れはじめてるって・・この残酷さ。
特に手のアップを見た時にドキっ。 手って、結構顔よりも年齢が出るっていうじゃないですか。
ご・・ごっつい・・ これ、ケイトの手? それとも誰か別な人? 手もメイクしましたー??

手・・ですよ。 この私もかつては「手のモデルになったらいいのに。。」と言われたもんだが、今じゃ、若男子と
並べても恥ずかしい~ (最近の若男子って、手がキレイだよね~)
手って、その人の人生がにじみでる・・・ って、この手にちょっと感激しました。


元々この方、スレンダーなタイプじゃないですけど、今回この映画では、そんなとこもよかったね。
背中に中年女性の哀愁も見えそなこのヌード。 脱ぎっぷりはよかったですねえ。
だから、このセックス・・ なんかエロさよりも哀しさが見えるんです。。

それが後半部にもつながってくんですね。。。


なぜ「愛を読むひと」なのか。 このケイト演ずるハンナがこの少年に本を読んでくれるように頼むんです。 
珍しいでしょ? 情事の後に、あるいは前に、少年の朗読の時間があるんです。
けして旨いとも言えない朗読に・・ 一生懸命聞き入り、素直に涙を流したりするこのハンナ。。
ここに後半に通じるこの女性の秘密があるんですね。


二人の関係は続いていきます。 このハンナって少年にとっては何?
かわいい同級生や友達とも誘いと断ってまで、ハンナとの時間を優先する少年。
二人で、一泊サイクリング旅行なんてするのは、ちょっと微笑ましく普通のカップルのような気もしないではない。 
また訪れた教会に引き込まれるように入って、涙を流すハンナ。。 
この人の過去に何があったのかって、そのわからなさが魅力なのでしょうか。


そのハンナはある日突然少年の前から姿を消します。。 そのきっかけとなるのは。。 たぶん、仕事の上司に、「君は今まで頑張った。 昇進だ。 これからは車掌じゃなくて、事務に異動だよ。」って言われたことかな。。
普通なら嬉しいはずのこの言葉に複雑な表情を見せるハンナ。 何でー?ってのが後半で明かされます。


そんで、甘くほろ苦いひと夏の情事の話から・・・ 後半はガラっと変わる、ある意味社会派映画??

少年はいつしか青年になり弁護士かな。。 目指して、大学のゼミの一貫で、裁判を傍聴します。
そこで、被告人席にかつての恋人(?)、ハンナを発見しちゃうんです。
ここからの展開がまた、ちょっととまどいさえ感じます。 だって・・ いきなりっでしょ。
しかも、ナチの戦犯として・・・  

このへんが西洋人でもない私としては、わかりづらいってか、入っていけないんですよねえ。
なんでも彼女はある収容所で看守をしてた過去があるようです。 
この戦犯裁判って・・ 「私は貝になりたい」でも思ったけど・・ 難しいですよね。。
だって、あの時代において、上総部の命令には逆らえないでしょう。
それを人殺しって言われたって。。


そこで彼女は、他の看守仲間から、嘘の証言をされちゃって、窮地に追い込まれる。
なんでもその収容所では彼女がリーダー格で、彼女が命令してたって。 そんで、そのレポートみたいなのが
残ってる・・
さあ、ここからです。 そのレポートを書いたのは私じゃない! なぜなら、私はー !
って、anbelnなら、いや、普通の人なら言っちゃうでしょう。 
筆跡鑑定をこばんで、自ら罪を認めちゃうなんてー ! ありえな~い。


ハンナは文盲でした・・・ 本なんて読んだこともなかったのでしょう。
だから彼の朗読で、初めて本に触れたのが新鮮で、あんなに嬉しかったのでしょう。
車掌ならやれるけど、事務職なんてどうしたってできるわけがない・・ だから去ったのでしょう。
でも、それって・・ 罪を重くしてまで隠したいこと?? 場合によっては死刑かもしれないのに??
これがどうしたって理解できません。。
またそんなハンナの気持を思いやって、マイケル(そのかつての少年ね。)も、その秘密を隠します。。
ハンナは無期懲役になります・・


しかし、それからマイケルとハンナの微妙な関係が続くのですね。。 マイケルは牢獄のハンナに再び自分が
朗読したテープを送り続けますの。。 そしてそれを聞きながら、文字の勉強まで始めるハンナ。
いい話っちゃ、そうなのだが、どうもダメっすねえ。。
このマイケルってのも、どうもイマイチ、キャラがつかめない、ウジウジしてるってとこしか。
私がマイケルなら、そんだけハンナを思うなら、ハンナに正直に言うように、説得しますがな。



しかし、15才の時に出会ったいわゆる「初めての女」ですが・・ ここまで引きずるもんですかねえ。
なんかマイケルを見てると、ずっと忘れられないみたいだし。 これ、純愛に通じるのかな・・?
でも、やはりちょっと後ろめたい。。 だから、やっぱりある程度の距離は置いてる・・みたいな?
どうも、中途半端な気がする・・


そしてまた突然の別れ・・ その後のマイケルの行動も気にいりません。。
ハンナの遺言にしたがって、わずかばかりの金をナチの被害者に届けようと行くんですが。。
なんで、この人にあそこまでハンナが隠した文盲のこと言うかなあ。
自分の一夏の情事も。。 なんか自分の懺悔のようにも聞こえます。。
あのときのなんかまた、ウジウジした態度が好きじゃないす。


そんで、エンディングも・・・ また娘をハンナの墓にまで連れていき・・ ハンナとの事話そうとするんだけど。。 
え~  信じられな~い!
娘に父親の情事の話なんか。。 いくら年月が経ってるとはいえ・・
私が娘なら、聞きたくないです・・ 
エンディングは話をする前に終わってますが。。(そうだよねー。 これ、聞いたら普通にショック・・)

というわけで、この二人の主人公に感情移入できず、理解できず・・
ストーリーの運びにもいまいち共感できず・・ ハマれませんでした。

唯つよかったのは、やっぱりケイト・ウィンスレット。 
アカデミー賞最優秀主演女優賞になったのは納得です。 ひとつひとつの表情からよかった。
もう少し、この女性の半生の部分を描ければなあって、映画は一味変わったような気もするけど。
なんだか少年目線で、わからないとこだらけ。。

エロい気持ちにもひたれませんでした・・(^^;



なんだか今日はムシムシしますねえ。 洗濯入れたら、ちょっと散歩でもしてきますかあ。