短編はオチが命・完結編1

今日はなんだか大雨の様子です。 家でヒッキーしてます。いや正確にはさっきスーパー行ってきました。 特に買い物じゃなくて・・抽選会。 今日の抽選会の為に~わざわざ3000円の出費をしたのにー
何?何! ティッシュ1個って。 せめてお菓子の1個でも当たってくれよ~ くじにも見放されてます・・(;;) 
やっぱりお金は自分で稼がないとね。。
という訳でさっそく完結編いきます。
 

           「 妻の女友達 」

波風たたぬ、ただただ平穏な暮らしを望んで営んでいた広中肇。 突然現れた妻の女友達に、その生活をかき乱され、日増しにつのる憎々しさに、ついには妻の留守中にその友人、美雪を殺害する。 証拠はすべて残してないーと思った矢先に、ジャケットのボタンがなくなっていることに気づく・・
これで完全犯罪の目論見はくずれたか~・・へたった~・・というところで、意外なところでボタンを発見! 

                  ☆

美雪の死体はほどなく発見された。 第一発見者は妻の志津子。 実家からの帰りに、気になって寄ったところ、驚愕の現場に遭遇してしまった。 しかしすぐ警察に通報。警察では殺人事件として捜査が始まる。 当然ながら、第一発見者であり、たびたび美雪の家を訪れていた志津子にも聞き込みが来る。 肇も同様つきあいながら、美雪とは妻の友人というだけで、一度しか会ったことがない、有名人ということさえ知らなかったと形式的な答えをする。。

 特に疑わしい様子もなく、帰ろうとした警察の前にふと現れた肇の娘。 腕にかかえた熊のぬいぐるみに、なにげに目を向けた肇はそこで・・なくしたはずのジャケットのボタンを発見する! しかもH.Hとイニシャルまで入ったくるみボタンは熊の目になっていた。。

これはいったいどういう事ー !?妻と向き合った肇は即座に問いただす。
「おまえ・・これどこで見つけたんだ・・?」 すると、志津子は今まで見せたことのないような表情を浮かべ、「そんなこと、私に言わせたいの?」

「私はメイドのように彼女のとこに雇われていたんですもの。 彼女のマンションのことなら何でもわかるわ。 その私が死体のそばに転がってたボタンに気づかないわけないでしょう。 他ならぬ私が、昔あなたにプレゼントしたジャケットのボタンでしょう? 危なかったんですよ、私がそれに気づいて拾っておかなかったら・・」 「どうして、どうして黙ってた?!」
「びっくりさせたかったの。 それだけです。」

「これであなたは疑われないわ。 あなたには動機も考えられないでしょうし。。完全犯罪というところでしょう。」


意外な妻の冷静さに驚きと共に安堵した肇は妻に感謝さえする。 「きみは本当に天使だ。 亭主が殺人犯とわかっても、冷静になってくれてる。。」

しかし次の瞬間、天使は言いました。 「私と離婚してください。」

「実をいうとずうっとあなたとの生活にはうんざりしてたの。 退屈で、隠居の老夫婦みたいで。 あなたはそんな暮らしがすきだったみたいだけど、私は我慢がならなかった。 それで料理教室に通うことにしたら・・ 今そこの先生と愛し合ってるの。 先生は離婚したら、子供もひきとって、ふたりで料理学校をやろうって言ってくださってる。 来年の春には開校するの。 後は私が離婚するだけ。」

「美雪さんは恋の相談相手でもあったの。 彼女、そのへんのとこはお手のもので、時々にせの電話をかけて私と先生が心ゆくまで会えるようにしてくれたわ。 先生からのプレゼントも美雪さんからってことにしてくれたし。。あなたにはいろいろ嘘ついてたわ。 ごめんなさい。」

ごめんなさいって言われたって、そ・・そんなこと、許せるわけがー!

別れてくださらなかったら・・ 私、ボタンのこと警察に言いますから。


                ☆

天使が見せた最初で最後のコワ~いお達しでありました。 妻の意外な本音、踊らされていたのは、知らぬが仏の夫だけでしたか。 全文は結構美雪のずうずうしさが出てて、マジ美雪が憎らしくなってくる肇の気持ちに理解もできたんですがねー。 ほんとの悪女は違ったのですねー。

いかがでしょうか? では次回は「鍵老人」の完結編です。