マネーゲームの光と影、「ハゲタカ」

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昨日は珍しく男臭~いドラマ(ほんとに女性キャストったら栗山千明ぐらいよ。)、映画「ハゲタカ」を観てきました。 
ほんとはケイト・ウィンスレットのを見たかったのですが・・ ちょっと時間的に合わず、実は、さほど見る気ではなかったのですが。。 しかし、蓋を開ければいや~ 2時間半の緊迫感。
見応えある映画でしたっ。

これは元々、NHKで放送された連続ドラマなんですよね。 NHKのドラマって民放とは、また一味違う、
私は結構評価してるのですが。 中でもこれは秀逸でした。 (確か何かの賞も取りましたね。)
この貧乏anbelnですから、株だの投資だの、まったく無縁の世界であり、投資ファンドだ、企業買収なんて話、
普段聞くこともなく、金融面にはまったく疎いんですが、登場人物のキャラ設定がしっかりしてて、かつ人間ドラマとしての深味もあり、ジンっとくる内容でしたよ。 ★



さて今回はその映画版ということで、今度の敵対相手は中国の外資系ファンド。 スケールは大きくなりました
けど、時間も短縮しちゃってるから、どうしても、人間ドラマの部分では弱いとこもありますね。
TVを見てない人には、鷲津と芝野の関係なんか、サラっと行っちゃったんで、どうだったでしょう?


その分、時間を割いて、印象的だったのが、その。。 敵、外資ファンドマネージャーを演じる玉山鉄二

・・・・ かっ、カッコイイ~ ・・ 私は、爬虫類顔の玉木より、同じ玉なら玉山ですよー
玉木さんの活躍も目を見張りますが、玉山さんも、役柄が広がってきましたかね。
頭がキレて、非情でクールな劉一華ファンドマネージャー。。 でも、実は暗い過去と秘密、心の中は非情にも
なりきれない優しさも隠しもっているんですよね。。


さて、お話は、日本の大手自動車メーカーを(アカマ自動車っていうんだけど、まあ、トヨタとか日産あたりをイメージしてください。) 買収しようと中国から送られた刺客ファンドに、そうはさせじと芝野、鷲津がタックを組んで対抗します。   もうっ、ノンストップの緊迫、頭脳戦ですよ。
劉と鷲津、二人の天才ファンドマネージャーの食うか食われるかの闘いでもあります。


そして、もう一つのサブキーパーソンとして、今回登場したのが、やっぱり時代を反映してでしょうか。
アカマ自動車で働く「派遣」の青年。。。 劉(玉山鉄二)が、この青年に目をつけたのは、単に、利用するためだったのでしょうか・・? いや・・ 何か自分と重なるものが見えたんじゃないかな。

青年は言います。。 「アカマが僕たちを管轄してるとこって知ってます? 人事部じゃないんですよ。
調達部ってとこなんです。。 要するに・・僕らは人間じゃない。 部品なんですよ。」

そして劉は青年に言います。 「部品じゃない、人間になれ。 誰かーになるんだ。」

劉は青年を先導させ、派遣労働者の反乱(というか、正当な権利の主張ですね)を企てます。
青年は、「誰かー」になろうと、必死に頑張るんだけど、それも劉がアカマを揺さぶるために、彼らを利用したんだと知ると・・


ホテルのシーンも印象的でした。 謝礼として、青年に400万の札束を渡す劉。
「君の年収の3倍ぐらいになるだろ。」
しかし、この青年も骨はあるってか、その400万をその場で叩き返します。
床に散らばる札束・・・ ああっ、もったいないっと。

普通なら、青年は立ち去りここでシーンが終わるんだけど。。 次の瞬間、激しい剣幕で青年に怒る劉。
自ら、床に散らばった金を集めて、もう一度彼に渡す。 しかし、青年は、またしてもその金を叩きつける。
するとさらに怒る劉、今度は彼の首ねっこを押さえながら・・

「金を粗末にするなっ!!」 「いいか・・・ 金を粗末にするな・・」

青年はやっと金を拾い集めて、自分のポケットにつっこみます。

このシーン、結構印象的でした。 ここにも劉の生い立ちや孤独が見える。 


鷲津が言いますね。 「誰かが言った。。 人生には二つの不幸しかない。 ひとつは金のない不幸。
もう一つは金のある不幸・・」 まさにそんな人生の対局を経験した劉の人生。
ちょっと、ちょっと、最後の結末が気にいらないんですけどねえ。 (かわいそうだろっ!)


金の亡者のハゲタカ・・ってタイトルではありますが、結構みんな実はイイ人なんですよね。


金融関係は、わかっても、わからなくても、結構楽しめます。
 
女性なら、カッコいい玉山鉄二を見るだけでも一見の価値ありっ。

ええっと、主役の大森南朋も、もちろんイイですけどね。 この人はハンサムじゃないけど・・味がある。

あの。。アカマの創業者一族の社長はちょっと複雑ですね。。
社員の為とは言いながら、結局は自分の保身もあったのかなあ。 それはちょっと皮肉な結末。

芝野役の柴田恭兵は、今回ちょっと脇に回ったかなって感もありますが、でも、やっぱりこの人がいて、
厚みも出る。

外資系ファンドの策略、巨大なマネーゲーム、そこから弾じかれた格差社会の底辺の人々。。 


とにかく・・ お勧めでございます。

今日はいつもなら、これから「CSI」ってとこですが。。 あいにく今日はお仕事です。

おもしろそうなTVもないので、今日はまたジムでダンスしてきます。 ほんじゃ。