東京難民 ② 読後レビュー

それでは、先日の続き。 「東京難民」 ついに読み終わりました。 
私いしては、珍しい読書レビュー。  本を読むのも久々で面白かったな。 ネタバレも入るかも。


★主人公、時枝修は、ごく普通の大学生。 平々凡々の大学生活をおくってたのが、ある日突然の、
親の失踪(自営の会社が倒産、夜逃げ・・ってとこでしょうか。) から、自身の大学生活、住んでた家も
失って、この東京砂漠にいきなり、放り出されたー ってとこまで書きましたね、  
まあ、それからの変転が著しいってのか、すさまじいってのか。、

放り出されてって、まず一番最初に頼るのは学校の友達ですね。  一応2人の親友と呼べる友と、
恋人もいましたから、なんとかカノ女からお金を借りて、実家へ行ったり、東京に帰っては、その友の
下宿先へしばらく泊めてもらうってことで落ち着きましたが・・・ さあ、これからどうすんのよって。
当初はまだ変な余裕もあったか、どうせこんな大学にいたってたいしたこたねえさ、就職が早まったと
思えばいいなんて、言ってはみるものの、そんな世の中甘くねえ。
社会経験もない、大学も除籍になった身分で、そんな正社員の口などある訳ない。
ましてや、彼には、住む家もない! って、これはその後も大きなネックになるのです。。


不動産屋のチラシ配りから始まり、怪しい高額商品のテレアポウリセンのゲイバーに、ティッシュ配り、
治験のバイトやら、ホストに、 工事現場に・・・ まあ、短期間でいろいろ経験しちゃいます。
また何でこんなブラックバイトみたいなのが多いのかー とも、思うけど、背に腹は代えられないってとこ。
そのへん、読んでると、だんだんわかってくる。  
前に「予告犯」に出てきた男子たちが、どうして、こんな蟹工船みたいな職場で働いてんだよ~って、
思いましたが、彼らも、「東京難民」だったのですね。。

こういう生活が続けば、どうしたって、だんだんストレスもたまってくる。  そこでついに爆発もする。
せっかく心配して支えてくれた友達に対しても、暴言を吐いて、自ら自爆。
このへんもわかる・・・ 頭の奥では自分がおかしいのもわかってる。 だけど、止められない。
勢いにまかせて言っちゃうのね。  だけど、すっきりした後は、後悔先にたたず・・・ってな。
友達も、恋人も失ってしまった。。 (--;;

ほんとに一人ぼっちになっても、さらに彼の難民生活は続くー って。



この本は、社会派エンターティメントっとも言うのか?  結構話は深刻だし、もしも自分にこんな事が、
起こったら、ほんとにパニックだし、この子のようにサバイバルできるかどうかもわからない。
暗い話でもあるが、そんなに重くもならないのはー  彼のキャラにもあるかな、

これほどの状況に陥っても、どこか楽天的でもあったり、それぞれ行きついた職場や環境の中に、
順応して(でも、仕切れないところもあるから、どんどん転職もしちゃうかな。)、人間関係も作ってく。
その人間関係が時には助けになり、時には裏切られたり、窮地に落とされたりもするんだけど・・・
彼自身はどんな状況でも、人を心底憎むとか、悪にも徹しきれないのね。  お人よしでもある。
いくらなんでもここは・・・・って、私でもバックれるだろうってとこでも、一人の友を救うために、自ら
窮地に落ちたりね。   まっ、時には自分のバカさで落ちることもあるんだけど。

パチンコで一攫千金を夢見て、大事なお金を全部すっちゃったり。 
下心を出しちまったばかりに、女の子に騙されて、ホストクラブに連れてかれ、そこでお金をとられて・・・
だけど、ずぶとくなった彼は、自ら売り込んで、そこで働かせてもらうことにもなる。
1つ大きな失敗をしても、ずっと尾を引かず、気持ちの切り替えも早い。
だんだんサバイバル能力が出てくるところも面白い。   失うものが何もないってのも強み??


最後はほんとのホームレスにもなっちゃうんだけど、そこでも意外な人間関係が作られてー
最後にシビアな結末と、だけど暖かいものもあったりさ。  彼のサバイバルは続いてくー 
みたいなとこで、終わるのさ。   


いや~ 面白かったです。  図書館に返すのがもったいないくらい。
万が一・・・ 東京難民になる日がきたら、この本の事を思い出そう・・・
って、まだ21の若者と、ババアじゃ、また困難も違うかもしれませんが。   (^^


今日もまだ一日は続くっと。。   早く仕事したい。。