どう見る? ラブリーボーン

私は14才で殺された・・ そんな衝撃の語りで始まるこの映画。
その女の子があまりにもかわいかったのと、え? それでどうなるのー?ってなんだか気になっちゃって、
火曜日の映画はこれで決まり。 しかし見終わった後の感想は・・・
うーん、難しい。 どう切り込んでよいのかわからない。 なので、思いっきりネタばれしながら。


お話はまだ生前のスージーちゃんとその一家の日常から始まる。 両親と弟、妹がいる5人家族。
ほんとに普通~なおうちの、普通~な、ちょっぴり生意気になってきたティーンエージャーのスージーちゃん。 
そろそろ恋するお年頃、憧れの君もいるようで。 将来はカメラマンにもなりたいようで。。
毎日は平凡ながら輝いていた。
そうそう、その憧れの君から、よもやの告白。 デートのお誘い。 きゃ~ 羨ましい。
この憧れのロマンチストなムーア人(と本人呼ぶ)、ちょっとanbelnのタイプでもあります・・
こんな彼からコクられてみなさい。 まさに、天にも昇る気持ち。。
しかし、悪魔の手はもうすぐそこに伸びていた・・・


14才。。 微妙な年頃ですね。 14才ならもう小さい子供みたいな誘拐はないでしょうって思うとこだけど、
まだまだ甘い。

そういや、私もその頃、友達の家に行く途中、車に乗った見知らぬおっさんに呼び止められて、つい車に近づいていってしまった事がありましたっけ。 後でオカンに言ったら、すごく怒られた。
確かに変なおっさんだったので、わかった時には即、車から離れましたけどね。 
あそこで、もしもし・・・ そのおっさんがもっと悪いヤツで、そのまま車に入れられちゃったら・・??
anbelnはもしかしてここにいなかった? 14才って、まだまだわかってないのよねえ。
そして、このスージーちゃんも。。 小さな好奇心、隣人だからってちょっとした安心感が、思いも寄らぬ事態を
招いてしまった。 それは取り返しのつかない。。。 自らの死。。



さあ、ここからがそのお話なんですけどねえ。 はたしてストーリーはどう運ぶのか。
ゴーストになったスージーが家族に事件の真相を伝えるのかー、 犯人をつかまえさせるのかな・・・って
思ったら、そうでもないのよね。。
スージーが存在しているのは、この世とあの世の狭間。 よっぽど霊感の強い子でもなけりゃ、(ってのが出てきたんだけど・・ その割にはあんまり存在感がなかったな。)スージーの姿を見ることはできない。 
スージーも家族を感じることはできても、実際何もできないんですよねえ。


なんかこのへんからちょっと微妙~

スージーを失った家族の絶望感。 特にお父さん。 自分がこれから家族を守っていくーとは言いながら、
自分が一番傷ついたみたい。  わかるけどね・・
親にとって我が子が理不尽に奪われる事ほどつらい事はない。
自分が守ってやれなかったことへの悔しさ、情けなさ。 お父さんの心をつらぬいている。
このへんは痛いっすよねえ。


それを見ているスージーもつらい。 ああ、自分の死が家族を不幸にしている。。
だけど何もできない。 

しかし、あきらめきれないお父さんは執念で、犯人探しを始める。

そんでついに犯人に行きついたのに・・・ 勇み足して、全然関係ない若い男にボコられる・・とは。

なんかこのもどかしさ。。 ちょっとハリウッド映画的じゃないですねー。
(ハリウッド映画なら、ここでお父さんがその犯人を捕まえるー 復讐するーってとこでしょう。)

しかし大怪我したお父さんに変わって、今度は妹が奮闘。 容疑者の男の家に忍びこんで、ついに証拠品を
発見する。 ここが唯一、ハラハラした、おっ、ハリウッド映画って感じだったでしょうか。
まさかまさか、この子まで悪魔の毒牙にー って、ちょっと心配しちゃいましたが、ここはなんとか無事に逃げる。


でも犯人も逃げちゃうんですよねえ。 しかも隠してたスージーの死体も持って。。

このへんも微妙なんですよね~ 唯一の感動(?)シーンとして、ゴーストのスージーは、霊感少女の体を
借りて、愛しの君と最初で最後のキスをするのだが・・・
そのすぐ脇には、自分の死体が今にも捨てられる。。 そう、そこに犯人がいるのに~

ちょっと、ちょっと、それ、どうでもいいのかよっ?!って、ツッコミたくなった。
この彼に言って、通報してもらったら~?

でも、もう自分の死体より、犯人より、今は、目の前の愛しの君。。 初キスのが重要ですか。

スージーの死体はゴミ処理場に・・ そのまま埋められて永遠に見つからないのか。。

なんか複雑ですねえ。。 でも考えようによっちゃあ、そんな死体、出てこない方がいいかなあ。
あの愛くるしい少女がBONESに出てくるよな骨付き肉になってたら・・ そんなの家族も見たくないよね。。  
大事なのはもう肉体じゃないとか。。?


映像は美しいんです。 そのスージーが見る死後の世界とか。 だけど裏を返せば、汚く恐い現実があるのよね。 それはあえて画にしない・・のか。

最後に崩壊しかかった家族は、傷ついた後に絆を取り戻し、もう一度まとまるみたいだけどね。
犯人には、天罰がくだる・・ 
この世に未練を残したスージーも彼とのキスを成就し、自分も成仏する。

だから、後味はそんな悪くないんだけど。

だけど・・どうもハリウッド映画に毒されてる私としては、どうにも物足りなさは残る。

映画を出る人たちも、「泣けた。 感動した。」って声と、「なんだかよくわからなかった。」「すっきりしない・・」って賛否分かれるようでしたわ。


ただ主役のシアーシャ・ローナンちゃんですか。 すごーくかわいかった。
この子のインパクト大ですな。 
スーザン・サランドンがちょっとトンデルお婆ちゃん役で出てきたけど。
正直、このお婆ちゃんの存在意義はよくわからなかった。 

まっ、そんなとこです。。

それでは、今日はBONESの日、 お風呂入って見ま~す。