私の好きな怪談

ええっと、日曜日の続きです。 最近見なくなったなあって思うのが、昔の夏の、「TV風物詩」とも思われる
「怪談特集」。 
まっ、今でもなんとな~くあるけど、昔はもっとあったと思う。 もう夏になると楽しみにしてましたから。 
何でしょう? 昔って冷房もなかったから、少しでもコワい話で冷まそうとしたんでしょうかね?
たいてい一家に一台は冷房もある今じゃ、あまり必要ないのかしら。
なんとなくお化けも出にくい昨今ですかねえ。


そういや、私、お留守番の間、2日間慣れないとこで、物音ひとつにも敏感になっちゃったって言ったでしょ? 
あれって、コワいのはお化けじゃなくて、ヒトの方なんですよね。
お化けが出るより、泥棒さんとか、都市伝説みたいの・・ そっちのが気になっちゃう。


で、暇にあかして思い出してたのが、昔昔の「田舎の我が家」。
あそこに今一人で泊まれって言う方が、コワいと思いますよ・・・ (こっちはそのヒトというより、お化けさんの方で。) 子供のころ、自分ちがコワかったもん。

田舎の我が家ー 平屋の長い家でした。 昼間は別にどうってことないんです。
むしろこんな夏は開放的。 だいたい玄関はドアじゃなくて、(初めてドアを見た時は、新鮮・・というか、変な感じ
でしたよー) ガラガラって横にあけるやつ。
だけど、玄関から来る人ってのは珍しく、今頃は、たいてい開け放した縁側の方から皆さん声をかけていた。


そうそう、昔の家は「縁側」(漢字これでいいのか??)てのがあったんですよね。
夏はそこにすわって、スイカとか食ったりさ。  団欒の場でもあった。
っと、昼間は楽しい我が家でしたが・・ 夜になると・・一変。 な~んかコワいんすよ。。


特に子供の私を恐れさせたのが、「トイレ」・・ 夜のトイレほどコワいものはなかった。。
夜中に目が覚めると最悪っ。。  まず、障子をあけるんです。。(ここから雰囲気あるでしょ。 障子だよ、障子。)


すると長い廊下が出てくる。 そこには裸電球が一つ。。 トイレはその奥にあったのです。
で、昔のトイレは、男女別になっていて、最初にあけると、なぜか男子用。
女子用に行くには、さらにもう一つ戸を開けなきゃならんのです。。 これが怖くて~
この戸を開ける時のドキドキ感。  子供さんならわかるでしょう~


で、今と違ってトイレも水洗じゃありませんから、穴があいてるわけ。
そして漆黒の闇。 そっから手が出てくる~ なんてのも、昔の漫画で読んだことある。
そんなのがコワくてコワくて。
 

さらに「納戸」と呼ばれる部屋がありましてな。 まあ、いわゆる物置なんですが。
これが昼間は、かくれんぼなんかする時にはイイ場所なんですが。。 夜になるとなんかこわ~い。
そこになんか異形なものが巣くっていないだろうか。。 

ーと、昔は田舎の家がいろんな想像もかきたててくれました。

そして、婆ちゃんも、そんな話を夏になるといろいろしてくれたもんです。
では、私の好きな話を一つ。。



★ 私が生まれるずっと前に・・ 婆ちゃんも子供の頃に、うちに「トラ」という名の猫を飼っていたとな。 
そのトラがある時から、ふと気がつくと夜中になるといなくなってる。
これこれ、どうしたものかと、婆ちゃんの婆ちゃんは、ある夜トラの後をついていったとな。


すると、いつのまにか野原の方までやってきて、ふと見れば、そこには他の猫たちもそろっている。
そしてトラがやってきたのを見ると、皆そろった、そろったと、猫囃子が始まったと。

おったまげた婆ちゃんの婆ちゃんは、そのまま帰ったけど、それからトラが夜中に出ていかないように、
夜はトラを閉じこめてしまったそうな。。 


それから幾晩か後、夜中にトイレに起きた婆ちゃんの婆ちゃんは、外がなんだか騒がしい。
トイレの窓から、なんかほのかな明かりさえ見える。 ふと声を聞いていると、
あれはいつぞやの猫囃子。。 

  おっトラどんが、来ねえから、神社拍子がそーろわなねえ~

そんな唄がずっと聞こえてくる。 それまたおったまげた婆ちゃんの婆ちゃんは、それからトラを解放してあげたとな。

それから、どうなったかは知りませんと。。 まあ夜中の猫囃子が続いたんでしょうなあ。。


この話が大好きで、何回もしてもらったものでした。 (婆ちゃんの語りがうまくて、飽きなかったのだ。)
その他、迷い地蔵の話とか、(婆ちゃんが出くわしたという)大入道の話、幽霊の話やら。。
私のホラー好きはここから始まったのかもしれません。。



先日、NHKで(土曜日かな)そんな昔を思わせる「怪談特集」やってくれました。
今時の怪談とは一味違う、なんか懐かしさもあり。 よかったです。

今時の怪談って、なんか風情がない。 アメリカ的になってきたじゃん??
たまには、昔、昔、異形のものが、そのすぐ横にいてもおかしくなかったよな、一緒に同じ世界に住んでいた・・ そんな怪談を聞きたいものです。

でも、稲川淳二のも好きですけどね~ (でも、うちの婆ちゃんのが語り、うまいって。)

ってか、もっとやってくれー、ホラー特集っと。