猛暑の中、涼を求めて行った映画館。 映画館は涼しかったけど、このドラマは熱かった!
池井戸潤原作の「空飛ぶタイヤ」です。 池井戸作品と言えば、だいたい…
「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」等で見られるように、主人公や弱小企業が、大組織、大企業に虐められ、窮地に追いやられるも、最後は大逆転。
けして後味は悪くないだろうと期待して行きました。
いや~、今回もその期待は裏切らなかったけど、それまでの過程が、いつになくきつかったな~
だいたい空飛ぶタイヤって何よー と、思えば、今回は何と自動車事故。
運送会社のトラックのタイヤが運行中に突然の脱輪、タイヤは宙を舞い、歩行中の親子連れに襲いかかる…
そしてお母さんが亡くなってしまいます。
この運送会社の社長さんが、今回の主人公で演じるはTOKIOの長瀬くん。
長瀬くんもこんな役やるようになったんだねえ… いや、なかなかいいよ。ちょいワイルドで朴とつな感じ。
何とか順風にやってる会社も、こんな事故一つ起こると、突然運命が狂わされます。 怖い怖い…
大元の製造会社の調査では、整備不良と結果を出され警察のガサ入れや、大きなニュースにもなり、さまざまなバッシング。
しかし、独自で調べる中、指摘された整備不良はなかった、車両の構造そのものに欠陥があったのではないかと、考え始める。
そしてそれが確信になっていくんだけど、そこで立ちはだかる大企業の闇と、その厚い壁。
再調査の要求にさえ、応じないばかりか、担当者、居留守を使って電話にもでない。
これ、ディーン・フジオカ。今回は悪役? 嫌な奴だと思ったよ。
しかし、社長は諦めない、粘る粘るって。 しかし、社長が粘るだけじゃどうにもならない。
しかし、粘ってると風穴を開けてくれるよな人たちも現れるんだよね。
前述のディーンさんも最初はやな奴だったけど、けして悪い奴じゃない。
彼もまた自分の会社の不正と秘密に近づいていくのね。そして…
しかし、社長を取り巻く環境はキツい。 キツすぎる
援軍になると思った週刊紙の記事はボツにされ、(これも社会の忖度ってやつ)
取引先からは引かれ、銀行には融資を断られるばかりか、今までの全額返済を迫られる。
そして被害者遺族には人殺し呼ばわりされ、訴訟まで起こされる。
いや~ 見ているこっちも辛くなる。 社長のが死にたくなっちゃうじゃん!って。
ほんと危ない一瞬がありました。。 しかし、ギリギリのとこで思い留まる。
やっばり自分には守るべく家族や社員がいる。 被害者遺族の為にも真実にたどり着かなきゃっと。
俺がやらなくて誰がやるー
う~ 赤松社長~ 長瀬~ カッコいいよー
池井戸作品の良いとこは、主人公が頑張ってると、主人公が見えないとこで、援軍が動き出してるんですねえ。
今回の脇役陣も豪華。 ディーンさん始め、会社を愛するが故に内部告発に踏み切る中村蒼くん。
それに加勢する同じく社員にムロツヨシ。同じような事故を体験して膨大なデータを渡してくれた佐々木倉之助さん。
銀行からは高橋一生くん。 直接2人は関わらないんだけど。 若手は捨てたもんじゃないって。
まあ、とにかく熱い人間ドラマが繰り広げられます。
見て損はなし。 何だか胸が熱くなる…
何故か、岸部さん、寺脇さん、六角さんの相棒卒業トリオも揃って登場。
3人とも、また相棒を思い出しちゃうキャラがご愛嬌かな。
久しぶりの星、★★★★★映画でした。