スティーブン・キングの「セル」

私が常々、ちょっと脅威に思いアレルギーさえ感じるものにー  携帯電話 ってのがある。
世に出てからもう20年くらいになりますかね・・? あっと言う間に普及して、今じゃ持たない人が珍しい。
これが出てから、人々の生活が変わりましたね~  良きにつけ、悪しきにつけ・・
そしてさらに進化を続けるもはや、「電話」とも呼べない品物に気持ちが追いついていけませぬ。
 
 
映画、TVでも重要アイテムとして使われ始め、さらにそのものがメインのホラー映画もありましたね。
前フリ長くなりましたが、この小説もその一つ、 携帯電話がもたらした悲劇というか恐怖というか。
題名も「セル」。  セルって辞書で引くといろんな意味があるんだけど、「携帯電話」って引いた時にも
セルラーフォーンってのが出てきますから。  まあ、そんなとこでしょう。
 
 
スティーブン・キングの小説って映画ではよくやってるんで見てますけど、(私はヒューマン・ホラーって
呼んでいた。) 本で読むのは珍しい。  「ミスト」の原作がないかなって探したんですけど、そこに
あったのが「セル」。  誰かが流れとしてはミストに似てるみたいなこと言ってましたから。
 
はい。。 そうですね。 今回のお話もミスト同様、唐突に始まります。  平和な日常が一転、
何が起こったのかわからぬままに、恐ろしいことが始まります。   それをもたらしたのがー  携帯電話。
その日、その時携帯電話を使った人たちが・・・・  クレイジーズとなりはてる。
 
今回はミストのような異次元怪物ではなくて、人間そのものが脅威です。  しかし、あっという間の群衆。
携帯電話を使ってる人の数を思うと、わかるでしょう?  
ゾンビとは違うけど、ある意味ゾンビかなあ。  もう人間の心を持たぬ、そしてなぜか暴力的な本能だけが
残される。 (あ、でも携帯電話を使わない限り、感染はしません。 ただ・・・殺されるだけ。)
 
 
ちょっと映画のクレイジーズを思い出しました。  あれは軍が流した細菌兵器の汚染水が原因だったけど。
セルは最後まで何がこれをもたらしたのかはわかりません。   ただ・・・原因は「携帯電話」ってだけ。
しかし何が起こったのかわからぬまま、突然暴力と殺戮が始まる恐怖ー
(あー・・・ 一昔前の「ルアンダ」で起こった虐殺の悲劇を思い出せば、けして現実離れじゃないですね。。)
 
 
しかし、ただ恐怖の話にしないのが、ヒューマン・ホラーのスティーブン・キングです。
ここに登場する主人公、(なんとなく「ミスト」のお父さんとかぶるけど)、もう離婚しちゃったみたいだけど、
愛する家族、とりわけ息子のことが心配で、どうにかして州を越え我が家の場所に向かおうとします。
 
そして、この急激な事態の中で出会った、その後の仲間ともいえる人たち。 
彼らのロードムービーのような話になります。  ほんと・・思ったんですけど、キングの話って映像向きだね。
これは、映画・・・  いや、連続TVムービーにしたら面白いと思う。  (もうやったのかな??)
 
 
でも・・・ 映像にすると、かなりグロイ場面も出てきます。  キングって容赦しないのね。
かなりショッキングで残酷なシーンが多いです。  彼らもクレイジーズの集団をある方法で殺っちゃいますし。
そして進化する携帯電話のごとく・・・ また進化、変化?する携帯クレイジーズ。
そのへんは旅を共にする天才少? PCオタクのジョーダンくんが説明してくれます。
徐々に手ごわい敵となっていきます。
 
そして旅する仲間にも悲劇が・・・・  
 
クライマックスは、まさに映画向きです。 (このへん、考えちゃってるのかなあ・・?)
はたして、主人公のお父さんは愛する家族に出会えたのでしょうか?   そしてその結末はー
 
 
ーと、ご興味を持った方は、本を読みましょう。  (DVDとかはないのかなあ~?)
 
 
昨日の電車の長旅、(通勤ですよ。)、帰りの電車も寝てる人を除けば、みんな携帯をいじくってる。
 
まあ、今じゃスマホも増えたし、電話というより、小型PCになっちゃってるけどね。  
 
この姿がなんか、私にとっては脅威なんですよね。。  いつか携帯に人間はのっとられるんじゃないかと・・・
そんな恐怖を書いたスティーブン・キングも、やっぱり、「携帯」嫌いなんでしょうかねえ??