社会派B級映画ってか、「第9地区」

はい。。 見て来た皆さんが結構おすすめしはった、「第9地区」 見てきました。  
いや~ なんとも、なんとも。。
 
これって、宇宙人とか、SFな形態をとってるけど・・ いわゆる社会派な「寓話」・・ってやつですか?
なんか、ちょっと笑って見ながらも、 考えさせられるね。
 
えーと、お話は、もう皆さんご存じかと思いますが、 ある日突然現れた巨大UFOに乗ってきた宇宙人の群れ。
UFOは、さながら、「インディペンデント・デ―」 に出てきたやつみたいなんだけど、 あの映画はいきなり、
宇宙人が攻撃してきましたよねー。 (それも、意味なく・・) 
しかし、今回の宇宙人は、 侵略者じゃなくて、偶然地球にたどりついた難民だったんですよ。
 
 
この発想がまず、斬新でおもしろいって、皆さんおっしゃる。 
確かにそうなんだけど。。  でも、考えてみると・・・ これって、「宇宙人」 にしてるだけで、
実は・・・ ってのが、なんか後で見えてきそうだよね。
 
そこで、彼ら(宇宙人)は、第9地区ってとこに、押し込められ、 その不気味な姿から、「エビ」なんて、ひどい
呼ばれ方をしている。  で、ここがスラム化して、非常に良くないってことで、政府が、第10地区なるとこに、
移動させようってとこで、今回の事件が始まる。
 
 
この映画をおもしろくさせてるのが、 主役のヴィガス。  実にいいキャラですね~
最初に登場した時のいかにも、能天気なような明るさ、 至極一般的なフツーの庶民って感じがいい。
この彼がよもやの、事件の主役になろうとは。
 
嫁さんのお父さんのヒイキか、第9地区移動の責任者に抜擢された彼が、 そこを訪れた時、
手にして開けてしまった1本の瓶。 そこに詰まった液体を浴びた彼はー ・・・ 
 
って、ちょっと、ちょっと、この液体、そもそも何だったのよ?  司令船を動かすためのエネジーみたいな事に
なってたけど、それとこの、生物学的変異と、どういう関係がー?? 
ー・・・ と、そういうSF的なことは、 あまりつっこむ必要はないみたい・・ ですね。
 
 
この、人のいいヴィガスに不意に訪れた不幸ー ってか、 彼は「エビ側」に なっちゃうんですよ。
 
これが、この映画の、ストーリーの真骨頂ってんですかね。 
ここで、今まで、醜いグロテスクな、差別されるものとして、見ていたエイリアンと、同じ目線になっていくんです。
自分たちが、いかに酷いことをしてるか。  自分も追われる身になって初めてわかる。。
 
そして、あの人間たちの傲慢さ。  ヴィガス・・・ もう人間じゃないって、人体実験に使われそうになるんですよー。 (すでに、もうエイリアンたちの、何人も秘密裏に犠牲になってるんですよね。)
 
その、なんつうんだ、 自分たちと違うものには、何をしてもいいー みたいな・・・
 
場所が南アフリカだけに・・・ なんかこれってアパルトヘイトの意味じゃないのー って。
 
ーと、この映画のすごいとこは、 また単に社会派をつきつめてもいないの。
 
クライマックスは、壮絶なアクション、バトルシーンですよ。 
あの、トランスフォーマーさながらの、ロボットまで出て来て。。 (この、パクリも狙い??)
 
ヴィガスもいつしか戦士になっちゃってます。。。 (ちょっとネタばれか。)
 
そんで、最後にエビのクリストファーと息子を乗っけた宇宙船が旅立つとこも、はっ、はぁ~ っとな。
 
変な感動しちゃいました。 (あれで、宇宙船が飛ぶもんかよ・・ と、そんな科学的なとこはどうでもいいの。)
 
社会派B級エンターティメント映画ー と称しましょう。
 
ちょっとネタばれもありましたが、 (全部は言ってないでしょ?) 見てない人はぜひ、見てみましょう。
 
笑って、考えて、つっこんで、楽しみましょう。