観ました。 「私は貝になりたい」

昨日は映画レディースデーということで、1日前だったけど、なけなしの金をはたいて映画見ちゃいました。 
いくつか観たいのがたまってます。 で、順番的にこれ。「私は貝になりたい。」
11月からやってるから、結構ロングランですね。 中居、仲間の紅白司会効果があってか、また観客数が伸びてるって、なんかで言ってましたね。 それはともかく。。

実はお話はそれとなく知ってます。 昔「TV探偵団」か、どっかの局の懐かしドラマ探訪みたいな番組で、ダイジェストでオリジナルのを見たことがあります。 ダイジェストだから、ちょこちょこっとしかやらなかったけど、最後の「・・・私は貝になりたい・・」で閉めるあのナレーション聞いただけでも、ぐっとくるもんがありました。 
確かー、もしかしてそん時の司会が中居くんじゃなかったかなあ。
で、中居くんも「ぐっときた。」なんてコメントしてたような気がする。

そんな彼がご縁あってか、今回の主役、清水豊松を演じました。 それで私もちゃんと見てみたいかなって思いましたの。 脚本も、オリジナルの橋本忍さんだと思いましたね。


お話は皆さんもご存じかな? 床屋の主人である清水豊松、貧乏ながらも奥さんと子供に恵まれ、ささやかな日々の暮らしを送っていたところに突然やってくる赤紙。 
日本も戦争末期、もう軍人さんだけじゃなくて、一般庶民が戦争に駆り出されて行ったわけですなあ。
バリカンより重たいもん持ったことがないですー なんて言う庶民がいきなり鉄砲やら、なんやらかつがさされて、人殺しの部隊に参加させられるんです。 そこで起こったある事件。 これが後にカレの運命を狂わせてしまうわけですね。


A級戦犯てのは聞いてますが、B,C戦犯ってのは、ちょっとわかんなかったですねえ。
実際にこんな一般庶民てか二等兵みたいなのでも裁かれていたのか。


戦争も終わり、なんとか無事帰ってきて、よかった、よかった、これからまた家族で頑張っていこうねってな矢先に、豊松は捕虜処刑の実行犯として軍警察にしょっぴかれってちゃうんですね。
本人にしてみりゃ、もう忘れてたこと(?)、上官に命じられて、いやおうなく、やらされた、けど、本人の弁によると、それさえ、まともにできずに、逆に上官にこっぴどくやられたらしい。 
(捕虜は豊松たちが手をくだすまでもなく、死んでいたとか。)


それがまた何でー と本人にしても納得できぬまま、ただどうすることもできずに、どんどん運命に翻弄されてくんですね。。 そして・・最後もまたあまりにも理不尽な悲しい結末。  ★★


さて中居くんの演技は、う~ん・・ 最初見た時はちょっと浮いてる感もありました。
やっぱオリジナルのフランキー堺さんは、もう見るからに庶民っ、床屋のおやじってな雰囲気がありますが、
中居くんはやっぱり中居くんに見えちゃうんだよね。 
仲間由紀恵ちゃんもまた、きれいすぎるんだわあ。 


でも映画としては、そこそこ良かったですね。 脇をかためる俳優さんたちが自然体でいい感じです。
助演男優賞をあげたいのは、中居くんの相棒、鶴瓶さんですね。
悲惨なだけじゃなくて、刑務所の中でも懸命に生きようとする一時の明るさも見えました。


すごーくカッコよかったのは人格者、矢野中将を演じた石坂浩二さん。 最後までりりしかった。
豊松の房を訪ね、「私たちがいたらないばかりに・・君たちを巻き込んで悪かった。」と謝罪してから、通い合った二人の心。 ひとときの友情も育んだのに、やがてやって来た永遠の別れ。


最期のシーンがまたカッコよかったです。 最期に言い残したいことはー?と、問われ、彼が言ったのは、中居くんたち二等兵を庇う言葉と、(死刑にされるべきは命令を下した上官であり、彼ら二等兵に罪はないーってことですね。) アメリカが軍事施設ではなく、武器も持たない一般市民が暮らすその場所に爆弾を落とし、多くの罪なき市民を死に至らしめたこと、(東京大空襲や原爆のことですね・・)これこそがA級戦犯と言わずに何と処すー ってなことです。


まったくそうだ!って思いました。 あれこそが最大の戦争犯罪じゃんか。
あんなひどいことした国はないべ。。 そして彼は最後まで軍人として、いや人としての誇りをくずさずに、
亡くなったんです。 このシーンが実は一番ぐっときました。。



昨日の久米宏の「テレビってやつは」てな番組で、終戦記念日のことを新成人に聞いた時、なんとちゃんと答えられたのは、わずか14%かそこら。。 なんかちょっと悲しいよね。
「大正ー、明治かなー」なんて言うとんでもないのもいて。 「だって学校で習わなかったもーん」って。

あ~あ・・ でも確かに、学校じゃ近代史がなんだか一番やらないんですよね。
昭和史こそもっとやるべきなのにねえ。 
だからこんな映画でもTVでもいいから見て、こんな時代があったこと、忘れないでください。


これ、大正、明治の話じゃないからねー。


て、なかなかいい映画でしたよ。 悲惨さだけじゃなくて、家族愛や奥さんのシンの強さ、そしてどんな状況の中でもそこで巡り合う友情があったり、最後まで希望を持って生きようとすること。

あ~ だからあの結末は悲しすぎるー。 せっかく奥さんが嘆願書の署名、あんなに苦労して集めたのに・・ 
ちょっと救いがないのが切ないですね。


それじゃっ、今日はこれから食糧の買い出しっと。 (ほんと、やっとだよ~ )